前職はIT系、システムエンジニア（SE）を5年間やっていました。その後、もともと私自身が商業高校の出身なので「会計事務所ってどんなことをやっているのだろう?」という興味をもち、それがきっかけで飛び込んだ世界ということになります。SE出身で会計事務所勤めというのは珍しいでしょう。

最初入ったときは、どんな仕事をするか全く分かっていませんでした。SE時代はサラリーマンでしたから、「税務署に申告する」というのがどういうことかすら分かっていなかったのですが、今は先輩方に教えていただきながら何とかやれているという状況ではあります。

監査担当者という職務で、主にお客様の経営状況の把握と報告、時には税務相談に対応するといった所です。事務所自体、医療関係のお客様が多く、私の担当も8・9割が医療関係ですね。個人事業主や会社経営をされている方でも、税務についての情報を得る機会はごく少なく、お客様には不安があると思います。お客様の信頼を得て、こちらから様々な提案をしていくことでお客様の権利・利益を守りたい、その一助となれればと考えています。

もともとSEの仕事をしていたので、事務所内のITインフラ関係の仕事もやっています。今、会計・税務の世界もIT化の時代、申告や申請の多くが電子化されていますし、帳票類のデータ化も進みました。事務所内の業務も、例えば入力などの作業をOCR読み取りなどで楽にできないか、といった効率化をよく考えています。効率化すれば働く人の心身の負担が軽くなります。今はそのために、IT系の資格を取ってみようかとも考えています。この事務所にDXをもたらす人になれたらいいなと思いますね。

私はお客様に「元SEです」と自己紹介をするのですが、そうすると多くのパソコン周りの相談が寄せられるようになり、その対応も業務の一環になりました。内容は電子申告・申請のやり方といったものから、パソコン及びネットトラブル等もあり、直接ご訪問や電話にてサポートさせていただくこともありました。会計・税務には関係のないものまで様々ですが、こうしたサポートも、お客様との大事なつながりです。何か困ったときに私の顔を思い浮かべていただけているのは、とてもありがたいことですね。

3月の確定申告の時期など、繁忙期を乗り越えたときなどは仕事を終えた安堵感が何より強くて、あまり「やりがい」について考える機会がなかったですね。人それぞれでしょうが、私の場合はさっきのパソコン周りの相談もそうですけど、「お客様の信頼を得られた」と感じるときでしょうか。

例えば、あるお客様の担当を先輩から引き継いだとします。最初のうち、そのお客様は何かあったときに先輩に電話をかけてくると思うのです。それが習慣になっていますから。それが何度もそのお客様の所に通ううちに、ごく自然に私に電話してくださるようになる。そうなったとき「信頼してもらえたんだな」とうれしくなりますね。

隠し事をしないというか、抱え込まない人が向いていると思います。何か失敗をしたとき、1人で抱え込むのではなく、それを前面に出して、周りの人たちと「それではどうしようか」を相談できる人の方がいいですね。事務所内でミスがあっても、それを相談してフォローし合って、結果お客様に出すものが正しければそれでいいのですから。私も「何かあれば相談できる」「分からないことがあれば聞ける」という雰囲気をつくるために、事務所内で積極的に会話をするようにしています。

相談することには、悩み事を溜め込まないで吐き出す機能もあります。悩みを誰かに話すだけで楽になることってあるじゃないですか。私自身、以前は溜め込む傾向があって、様々な先輩方に吐き出させてもらって、ずいぶん楽になったのを覚えています。
あとは、できれば体力がある人、プライベートを大事にできる人、あたりですかね。

SEから会計事務所という全く新しい世界に飛び込んだ経験から言うのですが、何か新しいことをやることについて、決して不安に思うことはありません。不安なことがあれば相談してください。分からないことがあれば聞いてください。私も先輩方に相談して、聞いてやってきました。
私なんか雰囲気がユルい方なんで話しかけやすいと思います。雑談でもいいので、何でも話しかけてくれればと思います。